特別養護老人ホームと養護老人ホームの違いについてわかりやすく簡潔に解説します。
名前は似ていますが、全くの別物です。
特別養護老人ホームとは
一般的に“特養”と呼ばれる施設のことです。
介護保険サービスが適用される公的施設のひとつです。
原則的には中、重度【要介護3以上】の介護を必要とする高齢者が身体介護や生活支援を受けながら生活できる施設で24時間の介護サービスの提供を目的とした施設です。そのため、介護サービスは充実しており、認知症の方の受け入れも可能です。
食事や入浴、排せつ等の日常生活介護に加えて、機能訓練や健康管理等も受けれる場合があります。
費用面は、介護度や所得等によって異なりますが、おおよそ10~15万円程度と言われています。さらには、所得や貯蓄が少ない場合は食費や居住費の軽減が受けられる場合もあります。
入居に際しては、入居待機者が多く申し込みをしてから数か月以上待つことも少なくありません。
特養は退去になるケースもある?
・体調の悪化等により医療的ケアが必要になった場合は、施設で専門的なケアを受けることができないので入院となり、3か月を超える入院が必要になった場合は退去しなくてはなりません。
・認知症の悪化等により入所者や職員に暴力を振るったり、迷惑を及ぼしてしまう場合は退去を要請されることがあります。
いずれにしても、入所時に退去になるケースについて確認しておくことが重要です。
養護老人ホームとは
一方で、養護老人ホームは身体的には自立しているが、環境的・経済的に在宅で生活することが困難な高齢者を擁護し社会復帰を促す施設です。
基本的な入居の条件は、①要介護状態ではなく自立して生活が送れる65歳以上の方で、かつ生活保護受給者、②低所得などの原因で在宅での生活が困難になるほどの経済状況に置かれている方となります。
基本的に自立した高齢者が対象となりますので、食事の提供や健康管理を含む自立支援はありますが、介護が必要となれば外部の介護サービスを利用するなどしなくてはいけない場合があります。介護の度合いによっては、別の施設への転居を求められる場合もあります。
費用面では、0円~14万円程度で、前年度の収入によってかかる費用が決まります。
災害を受けた場合や生活保護法の適用を受けた場合、その他特に負担能力がないと認められた場合には、施設の費用を減らしたり免除できたりもします。
また、養護老人ホームは自治体によって調査と判定がなされ、経済状況などの基準をクリアしてはじめて入居が認められる施設となりますので、生活に困っているからといって必ず入れるわけではありません。入居には、自治体の審査と措置判断が必要です。
おわりに
今回は、特別養護老人ホームと養護老人ホームの違いについて解説しました。
詳しくは、最寄りの地域包括支援センターに相談し適切な選択肢をアドバイスしてもらうことをお勧めします。
その他の高齢者施設についても、その特徴や目的等わかりやすく解説していけたらと思っていますので、下記の記事もぜひよろしくお願いします。
高齢者施設の費用や選び方、種類別の特徴を簡単に紹介します
最後まで読んでいただきありがとうございます。
コメント